ボルダリングとは?東京2020から正式採用のクライミングの種目「ボルダリング」を解説

ボルダリングとは?東京2020から正式採用のクライミングの種目「ボルダリング」を解説

東京2020オリンピックから正式種目に採用された「スポーツクライミング」。

このスポーツクライミングは「スピードクライミング」「ボルダリング」「リードクライミング」の3種目が行われ、その総合ポイントで順位を競います。

つまり「スポーツクライミング」とはこれら3つの種目の総称ボルダリングはそのうちの1種目のことを言うんですね。

そしてこれら3種目の中でも一番の盛り上がりを見せるのも「ボルダリング」です。
ボルダリングはスポーツクライミングの中でも特に人気のある花形種目です。

今回はそんな「ボルダリング」を紹介します。

ボルダリングは完登できた壁(クライミングウォール)の数を競う

今は本当に色々なところで「ボルダリング」という言葉を耳にするようになりました。
ただ、皆さんが想像しているボルダリングは、こういう壁を登るものではないでしょうか?

一般のクライミングウォール

もちろん、これもれっきとしたボルダリング用の壁なのですが、スポーツクライミング競技におけるボルダリングはちょっとイメージが違います。

スポーツクライミングのボルダリングではこういった壁を登ります。
競技のボルダリングのクライミングウォール

どうでしょう?おそらくあなたがイメージしていた壁よりもずっとシンプルではありませんか?

普段、我々が良く目にする壁はホールド(掴んだり足を乗せたりする突起)が沢山ついていますが、これは一つの壁に複数の課題(コース)が設定されているからです。

しかし競技の場合は、壁1つにつき課題1つとされているためこういったシンプルな壁になるんですね。

スポーツクライミングのボルダリングでは、こういった壁が予選では5つ、決勝では4つ用意されていて、それらの壁をいくつ完登できたかによって順位が決まります。
なお、完登数が同じ場合は、少ないチャレンジで登れたほうが上位になります。

ただ、この壁…どれも異次元の難しさです(汗)

多少でもボルダリングをかじったことのある人なら分かりますが、中級者はもちろん、ちょっとやそっとの上級者ではまず完登できません。

普通の人ならスタートポジションに立つことさえできないでしょう。それくらい超ハイレベルな課題です。

しかし世界のトップの選手たちは、こういった超難課題を、持ち前の分析力(オブザベーション能力1)と技術とパワーで次々にクリアしていくのですから本当に見ごたえがあります。

だからこそボルダリングは3種目の中でも一番人気があるんですね。

「オブザベーション」とは壁をホールドの位置を下見し、どうやったら登れるか分析・イメージすること。
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意外な見どころ「オブザベーション」タイム

ボルダリング競技の決勝では「ワールドカップ決勝方式」と呼ばれるシステムが採用されていて、まず、決勝に出場する選手全員で2分間オブザベーションが行われます。

ボルダリングファンにとってはこの「選手全員で2分間オブザベーションする時間」が結構ワクワクするんです!

というのも、これから戦う選手同士が相談する様子が見られるからです。

普通に考えたら、これから戦うライバルに手の内は見せたくないですし、話もしたくないはずですよね!?
でもボルダリングは、選手同士で「あそこはあーして、あそこは厳しいなあ、」とか、これから戦う選手たちと相談しながらオブザベーションしたりするんです。

選手同士が同じ目標を達成するために相談する。

相手の失敗を望むのではなく、自分が完登するためにライバルと一緒になってオブザベーションする。これにファンはワクワクするんですよ。

東京2020オリンピックでは、是非こういった選手たちの姿も注目して観戦してください。

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現在日本でボルダリングに強い選手は誰?

現在日本でボルダリングに特に強いのは、男子は「楢﨑智亜(ならさきともあ)選手」と「楢崎明智(ならさきめいち)選手」の楢崎兄弟、女子は「野口啓代(のぐちあきよ)選手」「野中生萌(のなかみほう)選手」「伊藤ふたば選手」の3選手でしょう。

楢崎智亜選手と楢崎明智選手の楢崎兄弟

楢崎兄弟
出典:楢崎智亜選手の公式インスタグラムhttps://www.instagram.com/tomoa_narasaki/

楢崎智亜選手(兄)と楢崎明智選手(弟)の楢崎兄弟はお互いがライバルと認め合う世界でもトップクラスのクライマーです。
はじめは兄の智亜選手が頭角を現しましたが、今では弟の明智選手も負けてはいません。

特にボルダリングでは、弟の明智選手のほうが長身で手足も長いため、最近では「明智選手の方が体格的に有利なのでは?」という声もチラホラ聞かれるようになりました。

実際「第1回コンバインドジャパンカップ盛岡2018」では、ボルダリング種目は弟の明智選手が1位、兄の明智選手は4位でした。

女子は野口選手と野中選手の2強に伊藤ふたば選手が続く


出典:野口啓代選手・野中生萌選手・伊藤ふたば選手の公式インスタグラム
https://www.instagram.com/noguchi_akiyo/
https://www.instagram.com/nonaka_miho/
https://www.instagram.com/futaba_ito/

日本の女子のボルダリングは野口啓代選手野中生萌選手伊藤ふたば選手の3選手が抜けていますが、特に野口選手と野中選手はズバ抜けて強いです(2018年現在)。

この二人はボルダリングワールドカップの年間成績でも、野中選手がチャンピオン、野口選手が僅差の2位と、世界でもトップクラスのクライマーです。

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まとめ

今回はスポーツクライミング3種目のうち、特に人気の高い「ボルダリング」をご紹介しました。

ボルダリングは、人間技とは思えないような技が見られるので、ボルダリングをよく知らない人が見ても楽しめる競技だと思います。

東京2020オリンピックにスポーツクライミングが正式採用された影響もあり、最近ではテレビでもボルダリンクの大会が放送される機会も増えています。

機会があれば是非ボルダリングの試合を見てみてください。
あまりの凄さにきっと見入ってしまうと思いますよ^^