メスティンとは?女性バイクソロキャンパーが最強のクッカーを徹底解説!

メスティンとは?女性バイクソロキャンパーが最強のクッカーを徹底解説!

「もし仕事も、家のことも、全く気にすることなく日本中をキャンプして回れたら」

キャンプ好きなら一度はそんなことを考えたことがあるのではないでしょうか?

私は何度もあります。

というか、実際に仕事をクビになった時に東北を海岸沿いにキャンプして一周した経験があります。結局その時は次の就職先が決まったため中断となり、「日本一周未遂」で終わりましたが…

その「日本一周未遂」の時に「コレ、めちゃめちゃ使える!」と感心したものがあります。

それがこちら、メスティンです。

今回は、その「メスティン」とはいったい何なのか?そしてメスティンがメチャ使えると感心した理由3つをご紹介します。

メスティンは、これ一つでキャンプがガラリと変わるポテンシャルを秘めたキャンプギアなので是非ご一読ください!

メスティンとは?

メスティンとは、trangiaというスウェーデンのキャンプメーカーが作った “アルミ飯盒” のことです。

海外の飯盒である「メスキット」の一種であり、皿と調理器具を兼用する軍隊式の装備が元となっています。

一応「メスキット」は調理器具としての性能はおまけであり、主に携行食料を食べるための皿としての機能がメインだったのですが、「アルミに取っ手をつけただけ」というシンプルな構造ゆえに、逆にキャンパーたちが様々な活用法を編み出し、今では煮る・蒸す・焼く・揚げる・炊く・燻すをこなす万能調理器具として支持されるようになりました。

「メスキット」を元に生まれた「メスティン」も例外ではありません。

インスタグラムやTwitter、YouTubeなどでもメスティンで様々なものを調理する様子がうかがえます。

遂には、なんとメスティンだけに特化したレシピ本まで登場しました。

※メスティンを持っているならこの本はかなりオススメです。キャンプのステージが一つ上がります。

いまやメスティンは「キャンプクッカーの中で一番アツイ存在」と言っても過言ではないほどに認知され、いろいろな活用法が編み出されています。

バイクキャンパーの私が感動したメスティンの3つのメリット

一見なんていうことのないアルミ製の調理器具であるメスティン。
そんなメスティンに、キャンプツーリング好きの私が感銘を受けたのは以下の3つの点です。

メスティンのメリット①形が四角かつ長方形であること

メスティンと他のクッカーの大きな違いって何だと思いますか?

それは「四角であること」です。

四角であることには大きなメリットがいくつかあります。
まず、インスタント食品の調理がしやすいという点です。

私は旅でこのような「棒ラーメン」を愛用しています。

棒ラーメンは荷物を小さくまとめたい時に非常に重宝します。カップラーメンと違い、棒ラーメンはパッケージが小さくかさばりにくいため、荷物の隙間という隙間にホイホイ放り込んでおけるからです。

そんな便利な棒ラーメンを調理するのに便利なのがメスティンです。

というのも、一般的なソロクッカーだと3つに折らなければ茹でられない棒ラーメンも、メスティンなら半分に折れば茹でることができるからです。

基本的に、棒ラーメンを食べる時は、少しの面倒も惜しみたい気分の場合が多いと思います。そのため、メスティンのこの長方形の形状が非常に都合がいいのです。

もう一つ、四角いことによるメリットは、パッキングがしやすいことです。

私は基本、調理にはOD缶(アウトドア缶)ではなくCB缶(カセットボンベ缶)を使用しています。(下の写真で言うと左の缶が私の使っているCB缶です。

もし、OD缶使用を持って行くなら、メスティンのような四角いものより、丸型クッカーの方がパッキングしやすいです。OD缶は丸底のため、クッカーに入れてしまえばそのままマトリョーシカのように収納できますからね。

しかしCB缶はそう言ったパッキング術が使えません。が、その代わりに「丸型クッカーにこだわる必要が特になくなる」というメリットが生まれます。

となると、「クッカーの中に何かを入れてパッキングをする」という視点ではなく、「箱・カバンの中にクッカーをどうパッキングするか」という視点のほうが重要になってきます。

そもそも丸型と角型のクッカー、どちらがパッキングしやすいかと言えば、それは角型なんです。
4cm×4cmの正方形の入れ物に、直径1cmのボールを詰め込むのと1cm四方のサイコロ、どちらが隙間なく詰め込めるか考えてみてください。圧倒的に後者ですよね!?
パッキングの解説

つまりパッキングは、荷物は四角形であるほうがより効率よく詰め込むことができます。

CB缶との兼ね合いから、特に丸型クッカーに固執する理由はなくなり、同じ機能を持つのであれば、四角いメスティンを選ぶ意義が高くなります。

ちなみに角型のクッカーでいうと、メスティンの他にユニフレームの「山クッカー角型」もなかなかいい線をいっています。「山クッカー角型」はチャルメラなんかの四角い袋麺を割らずに調理したい時に非常に重宝します。

ただ、私は個人的に四角い袋麺があまり好きではありません。
いや、四角い袋麺も味は大好きです。ただ特に荷物を小さくパッキングしなければいけないツーリングキャンプでは細長く隙間に収納しやすい棒ラーメンのほうが何かと都合が良いのです。

結果、私的にはやはりメスティンが一番ということになります。

メスティンのメリット②安くてシンプルゆえの応用力

私のメスティン

上は私のメスティンですが、ご覧の通り、ただの長方形のアルミに取っ手がついただけ、家によくある雪平鍋と大差ありません。

ただ、基本的にコンロで使う調理器具なんてそんなものです。

結局、金属に取っ手をつけて、加工の種類や金属の材質、加工の仕方によって「スキレット」だの「ダッジオーブン」だのと種類があるだけです。
極端な話、「適当に深さがある金属に取っ手をつければ、フライパンにも鍋にもなる万能調理器具が誕生する」ということになります。

それがまさしくメスティンなのです。

メスティンの適当な深さは、炒めることも、焼くことも、煮ることも、揚げることもできます。網などで少しかさ上げしてやれば、シュウマイを蒸したり、かまぼこを燻製にすることだってお手の物です。

さらにメスティンは1700円前後で買えます。

多少燻製の汚れがこびりついたり、パエリア作って焦げ付いたりしようが、「また買いなおせば良いか!」と思える金額です。

失敗を恐れなくていいというのは、旅をするキャンプでは本当に心強いです。

旅先では何に出会えるか分かりません。美味しそうな冷凍ジンギスカンに出会うかもしれませんし、名物のご当地缶詰めを手に入れて「炊きこみご飯作ったら上手そうだな……」と思いつくこともあるかもしれません。そういった一瞬の出会いを無駄にしないためには、失敗を恐れず、どんな料理もチャレンジできてしまうメスティンのような調理器具は非常に重宝します。

メスティンのメリット③アルミ素材であること

メスティンはアルミ製ですが、アルミには大きな利点が2つあります。

一つは軽いこと。

そして、もう一つは熱伝導率が良いことです。

「荷物の軽量化」を考慮するとクッカーの素材はアルミかチタンに落ち着くと思います。
軽さだけ考えればアルミよりチタンのほうが軽いのですが、チタンはすごく焦げます。

下の図をみてください。
チタンの熱伝導率

チタンは熱伝導率が悪いため、炎の当たる場所だけ局所的に熱くなり、そこだけ焦げてしまうのです。

私も過去にチタンのシェラカップで米を炊いたら、バーナーが当たっていたところだけに焦げの層が堆積し、バウムクーヘンの断面のようになったことがありました^^;あれは悲しかったですね…

アルミも焦げるときは焦げるのですが、チタンと違い熱伝導率が良く、万遍なく温まるため、焦げ付きが進む速度がチタンよりも遅いですし、多少焦げ付いたとしてもチタンほど重症にはなりません。

また、焦げ付きを取るにはクッカーの表面を削り取ることになりますが、そうすると当然クッカーには傷がつきます。チタンクッカーはそれなりに値段を出して買うものなので、焦げ付かせ、傷つけることになるとかなり凹みます。

ですが、メスティンのような安いアルミ製クッカーなら、ガシガシこすって傷が付こうが、酸化して黒ずみが付こうが大したダメージはありません。

キャンプを充実させるにあたり「高価なキャンプギアの所有感」も大切な要素の一つだとは思いますが、「使い倒しても惜しくない値段帯のもので揃える」というのもまたキャンプを充実させる要素の一つでもあると思います。

メスティンは「安くて使える」旅のキャンプギア

メスティンは

  1. 安い
  2. シンプル
  3. 扱いやすいアルミ素材

の三要素が揃った、「使ってナンボ」な超実用的なキャンプギアです。

グランピングのような場でも使えなくはないのですが、どちらかと言えば荷物を極力コンパクトにしたい日本一周などの長期間のキャンプや、最低限の装備でやりくりするブッシュクラフトに打ってつけキャンプギアです。

もし、あなたがそんなキャンプを望み、さらにまだメスティンを持っていないなら、是非次のキャンプまでにメスティン手に入れ、このシンプルかつ、超実用的な使用感を体験してみてください!