初心者のトレイルランニングシューズにイノヴェイトX-TARONをオススメする理由

初心者のトレイルランニングシューズにイノヴェイトX-TARONをオススメする理由

トレイルランニングシューズというと、サロモン、ノースフェイス、アディダス、ナイキ、アシックスなどが一般的で、トレイルランニングをこれから始めようという方はこれらのメーカーから選ぶことが多いのではないでしょうか?

ただ、是非、そこに「INOV-8(イノヴェイト)」という選択肢も入れてみてください!

ネットでは、「INOV-8(イノヴェイト)ベテラン向き」「トレイルランに慣れてから」といった意見もチラホラ見られます。

でも、果たして本当にそうでしょうか?

私は “道具” の使いやすさにベテランも初心者も無いと思っています。

初心者が使いやすいものは、ベテランも使いやすい、初心者が使いにくいものは、ベテランなら何とか使える…道具とはそういうものではないでしょうか。

ですから、履き心地、機能性が最重要なトレイルランニングシューズにおいても(値段の問題はさておき)ベテラン用、初心者用といったカテゴリ分けは無いと思っています。

筆者は、もうかれこれ10年ほどトレイルランニングを楽しんでいますが、2010年からは、ずーっとINOV-8(イノヴェイト)の「X-TARON」を愛用しています。

そしてこの「X-TARON」はこれからトレイルランニングを始めようとしている方にも、自信をもっておすすめできます。

ということでこの記事ではINOV-8(イノヴェイト)の「X-TARON」、特に私が10年来愛用している「X-タロン212」にスポットを当てて紹介したいと思います。

INOV-8(イノヴェイト)とは

INOV-8X-TARON212
INOV-8(イノヴェイト)はイギリスを発祥とし、泥濘な土地柄が多い地域でも、グリップ性能を発揮して走行を優位に進めるシューズをラインナップしているシューズメーカーです。

イノヴェイトのシューズは、素足に近い感覚を得られるような、いわゆる「ナチュラルランニング」や、前足部で着地して走行する「フォアフットランニング」に適した性能であるとして、世界に多くの愛用者がいます。

トレイルランニングでは舗装路からガレ場・ザレ場と呼ばれる岩石帯など多様な足場での使用に耐えうるクッション性能とグリップ性能が求められます。

また走行中に悪天候に見舞われ、地面のコンディションが悪化した際にも岩場や泥地で滑ることなく走行することができなければいけません。

トレイルランニングシューズは、快適な走行ができるのは当然として、それ以外にも、斜面からの滑落や転倒といった危険を回避するためにもグリップ性能は非常に重要になります。

そういった意味でも、イノヴェイトのラインナップのグリップ性能は非常に優れていると思います。
 
筆者愛用の「X-TARON」はINOV-8(イノヴェイト)がラインナップする製品の中で2008年にリリースした最古参のトレイルランニングシューズです。

筆者が約10年に渡りX-TARON(X-TARON212)を愛用している主な理由は

  • とにかく軽い
  • グリップ性能が抜群
  • フィット感が抜群
  • クッション性がちょうど良い

などです。
順に詳しく解説します。

とにかく軽い!

X-TARONはイノヴェイトのトレイルランニングシューズの中では最軽量のモデルです。

現行モデルは源流である「X-TARON212」のほか、軽量性と柔軟性を重視した「X-TARON210」「X-TARON212」、クッション性能を充実させた「X-TARON230」の3モデルが展開されています。

同ブランドのシューズの「212」「230「270」といった数値は、そのシューズの重量をあらわしており、筆者愛用の「X-TARON212」はすなわち212gということになります。

同メーカーの別モデル、また別メーカーでも300gを超えるモデルが多数ある中、200gに迫るほど軽量のシューズというのはそこまで多くありません。

マラソンシューズなら軽量なシューズはいくらでもありますが、整備されたロード以外も走行するトレイルランニングでは、シューズに様々な性能を持たせなければいけないため重量が増します。

そういった中「X-TARON」のこの軽さは、初心者にとっても重量の負担軽減につながります。

抜群のグリップ性能

X-TARONはアウトソールのくさび状の突起(ラグ)を長くしており、泥濘な地面や岩場でもしっかりとしたグリップ性能を発揮してくれます。

転倒や滑落といった危険を回避するためにグリップ性能は欠かせません。筆者は約10年X-TARONを愛用していますが、X-TARONのグリップ性能には何度も助けらています。

たまに日常生活で、雨の日に、普通のスニーカーで、なんでも無いところで滑って転倒しそうになることがありますが、そんな時はいつも「こんな普通の道で滑るのに、濡れた山道を普通に走れるX-TARONはやっぱり凄いんだな」実感することがあります。

フィット感が抜群

フィット感は、各個人の足の形によって変わってくるので、こればかりは何とも言えませんが、少なくとも標準的な日本人の足の形であろう私の足には非常にフィットしています。

サイズの目安としては、筆者は普段はアシックスやアディダス、ニューバランスのロードランニングシューズで25.5㎝を履いていますが、X-TARONは26.5㎝を使用しています。

というのも、2015年にイノヴェイトのサイズ規格が変更となり、それまではロードランニングシューズと同様の25.5センチで大丈夫だったのですが、サイズ規格が変更後の現行モデルを履いてみると25.5㎝では小さく感じたので、現行モデルでは1センチほど大きいものを選ぶと丁度でした。

ですからネットでX-TARONを買うなら普段のシューズより1㎝大きめを買ったほうが良いように思います。

トレイルランニングは山を下る場面があるため、ジャストサイズだとつま先がシューズに当たり、爪が死んでしまうというような現象が起きます。また一番突き出ている小指や親指の付け根がシューズに当たりきつく感じると靴擦れすることも間々あります。

つま先や指の付け根には若干の余裕がありながらも踵はしっかりフィットしたものを選ぶと、快適に使用することができますね。

クッション性がちょうど良い

筆者はトレイルランニングを始めた2010年から「X-TARON212」を愛用し続けています。

ただ、最初のころは、サロモン社のシューズやニューバランスのシューズなども色々と試してはいました。

ただ、それらは、たしかにクッション性能やアウトソールのプロテクション性能は非常に高いと感じましたが、クッション性がありすぎたのか、足の負担が大きく感じ、痛みがでてしまっていました。

しかし「X-TARON212」は、クッション性はサロモン社のシューズほどではなかったものの、逆にそれが良かったのか、結果として足の疲れの残りかたが少なく山行を終えることができました。

これは、もしかしたらクッション性の問題ではなく、単に他メーカーのトレイルランニングシューズが私の足に合わなかっただけかもしれませんが、いずれにせよX-TARON212のクッション性は私にとってはベストでした。

X-TARONの注意点

トレイルランニングシューズ
最後にX-TARONの注意点をあげておきます。

トレイルランニングシューズに限らず、道具には適した使い道とそうでない使い道があります。

X-TARONは短いレースや軽登山に適したトレイルランニングシューズと言えます。

と言うのも、X-TARONは軽量化やナチュラルな足裏の感覚を重視しているためにクッション性は削ぎ落されているからです。

そのため長距離や重装備を背負う場面では足に負担がかかり、体を痛めてしまう可能性も否めません。
実際筆者もX-TARON212を履き、1泊2日のテント泊装備(ファストパッキングと呼ばれる4~5キロ程度の重量)を背負い、トレイルランニング山行に望んだことがありますが、その時はアキレス腱を少々痛めました。

またグリップ性を確保するため、アウトソールはくさび状の突起(ラグ)が長めになっているので、舗装路を走行する際には足裏にイボイボ感を感じる場合があります。

やはりX-TARONは、そのグリップ性を活かすためにも、できるだけトレイルやガレ場、ザレ場の多い山行で使用するのがベストです。

とは言っても、初心者がいきなり長距離のレースや重装備の山行を行うことはそうそうないと思いますし、これはどのシューズでも同じことが言えますが、使い始めは足慣らしを兼ねて、無理をせず、視界が開けて障害物が少ない比較的安全な場所で正しい走行方法を習得しながら走ることが大切です。

で、あれば「X-TARON212」は、はじめてのトレイルランニングシューズとして非常にオススメできると思います。

追伸:長距離を走行するためにクッション性、プロテクション性を強化したモデル「X-TARON ULTRA260」が2018年にリリースされました。「X-TARON ULTRA260」のグリップ性は従来の「X-TARON」と変わりありませんので、長距離や重装備を背負う場面では試して見ると良いかもしれませんね!